Defart v017の使い方(その3)

視覚設定

AIBOがボールを追いかけて動くようなプログラムを作成する前にしなければならないことがあります。それはAIBOがボールを、ボールとして認識するように設定することです。
といってもDefartではボールをボールとして見ているのではなく、ボールにつけられた色を見てボールかどうか判断しています。たとえばAIBOの製品に付属するピンク色のボールを使う場合、あらかじめAIBOに「ピンク色のもの=ボール」と設定しておきます。そう設定した後は、ピンク色のものをボールと認識するというわけです。
このように「○○色=ボール」のような設定を行う作業を「視覚設定」と呼んでいます。
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Defart v017の使い方(その2)

無線によるAIBOとの接続

既にPCからAIBOに対してpingが行える状況であると仮定します。また、紫色のカラーバーによる無線LAN設定も完了しているとします。
この状態でロボット設定の「番号」にAIBOのIPアドレスの第4オクテットの値が指定されていれば、画面左側のピンク色の領域が緑色に変わっているはずです。
これはAIBOから1秒おきに発せられている情報を受け取っていること(つまりAIBOと接続中であること)を表しています。
ピンク色のままの場合にはDefartのネットワーク設定が間違っている可能性があります。もう一度試してください。
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Defart v017の使い方(その1)

Defartは状態遷移図を描くことでAIBOのプログラムを記述するシステムです。状態遷移図を描く機能の他、動作の基本となる歩行モーションを作成したり、認識エンジンの設定などを行うことができます。

最低限必要なもの

  • Sony AIBO ERS-7
  • Squeakプログラミング環境
  • Defart/PCシステム本体()
  • Defart/AIBO()をビルドして組み込んだAIBOのメモリースティック
  • モーションデータ()

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Defart/PC v0.16の使い方(1)

Defart/PCの起動

  1. Squeakを起動します。
  2. Readmeウィンドウにある、AiboProgram new openAsMorph.を選択し、右ボタンでポップアップメニューを出し、「式を評価」を選びます。
  3. 初回起動時には、motion.odaの読み込みに失敗するメッセージが出ますが気にせずOKを押してください。
  4. Defart/PC v0.16の画面が出れば起動完了です。

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Defart/PC トラブルシューティング(?v015)

「状態が多すぎます。これ以上追加できません」というメッセージが出て状態が追加できません。

v015から追加できる状態の最大数が設定されるようになりました。デフォルトは20個です。この個数を変化させたい場合には、DefartConfigurationでmax normal statesの設定値を増やしてください。

「初期状態がありません」というメッセージが出ます。

状態遷移図には初期状態を持つ状態が少なくとも1つ必要です。初期状態とは、その状態遷移図が実行されたときの最初の状態のことです。適切な状態の●メニューをクリックして、「初期状態にする」を選んでください。

「AIBOに接続できません」というメッセージが出ます。

AIBOと正しくネットワーク接続されていないと、AIBOと通信する全てのコマンドが利用できません。
AIBOとの通信にはTCP通信、UDP通信の両者を使用します。場合によってはファイアーウォールソフトによって通信が遮断されている可能性もあります。AIBO(のIPアドレス)との間だけ、通信を許可するように設定を変更する必要があるかもしれません。

視覚設定のやり方

AIBOがボールなどの物体を認識するには適切に視覚設定を行わなければなりません。
ここでは簡単に設定する方法について説明します。

視覚設定を行うにはAIBOと無線LANで接続できている必要があります。先に「Defartネットワーク設定」を済ませておいてください。

AIBOセッションを起動する

  1. AIBOを起動してください。
  2. 適切なエントリとプログラムを選んでセッションを開始してください。
  3. AIBOセッション画面で青のバーが出ることを確認して次に進んでください。

AIBOの画像を取り込む

  1. AIBOセッションで左側中央の(撮影)ボタンを押してください。
  2. AIBOの画像が出ますか?出れば次に進んでください。

視覚設定を行う。

  1. 視覚設定の(修正)を押して、視覚設定画面を出してください。
  2. 下にある(視覚設定の選択)を押して「ゼロからやりなおす」を選んでください。
  3. AIBOの前に認識させたいもの(ピンクボール)をかざしてください。
  4. (画像取り込み)を押してピンクボールを画面に映してください。「はい」で何度か取り込んだ後で「いいえ」を押してください。
  5. 右側の現在のチャネルを:「0:オレンジ」に設定してください。なお、ピンクボールを使う場合でもオレンジを選んでください。
  6. 輝度を0?31までずらすと、AIBOの画像の色の分布がわかります。
  7. 左側の画面に映っているボールの部分をマウスでドラッグして塗りつぶしてください。
  8. 先ほどのように輝度を0?31までずらすと、ピンク色の範囲が表れているのがわかります。必要に応じてドラッグで範囲指定し調整してください。
  9. (設定の確認)ボタンでAIBOの画像を取得してください。
  10. 何度か繰り返して調整してください。
  11. (視覚設定の保存)ボタンで設定をファイルに保存してください。
  12. 視覚設定画面を閉じてください。

ボールを認識するか確認する

  1. AIBOセッションに戻ります。
  2. AIBOの前にボールをかざすと、AIBOセッションの視覚設定の右側の画面にちょっと遅れてボールを表すオレンジ色が表れます。

最終更新時間:2006年02月03日 23時14分20秒

Defartネットワーク設定

既に/OPEN-R/SYSTEM/CONF/WLANCONF.TXTが設定済みの場合

OPEN/Rのサンプルなどで既にネットワーク環境がうまく働いている場合、defartによるネットワーク設定はほんの少しです。

ただし、この場合は、AIBOセッションのメモリースティック書き込みで「全ての設定を書き込む」や「ネットワーク設定を書き込む」を行うと設定が上書きされてしまうので気を付けてください。

設定済みの場合には、WLANCONF.TXTに設定したETHER_IPの内容が必要になるので控えておいてください。

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歩行モーションの作り方(概要)

作成中なので、ITOLAB.学生以外は参考にしない方がいいと思います。

Defartを使って歩行モーションを作る方法

新しいモーションを作る

  • AIBOセッション画面でMoNet設定を選ぶ。
  • (修正)ボタンを押してMoNet設定画面を開く。
  • モーション一覧の(追加)ボタンで新しいモーションを追加する。指定するポスチャは何でもよい。
  • 追加したモーションを選んで(修正)ボタンを押し、モーションエディタ画面を開く。

歩行のポーズを入力する

  • 足先軌道の4点を決める
  • 左前脚、左後脚の4点をモーションエディターで指定する。
  • 最初のポーズを、一番最後に追加する
  • 左脚のデータを右脚にコピーする
  • (自動)ボタンで「歩行モーションを生成する」を選ぶ
  • (自動)ボタンで「トロットになるよう位相を調整する」を選ぶ
  • 先頭のポーズをポスチャとして登録する

作成したモーションをMoNetに登録する

  • 登録したポスチャと標準姿勢のポスチャをつなぐモーションを作成する
  • ポスチャをコマンドに登録する。

モーションを試す

  • AIBOセッション画面でMoNet設定を保存する。
  • AIBOのメモリースティックにMoNet設定を保存する。
  • AIBOセッションで登録したコマンドを試す。

作成したプログラムをAIBOで実行する

無線LANが使える場合はもっと簡単にできるのですが、ここでは無線LAN環境が使えない場合のやりかたについて説明します。

最初にすること

AIBOセッションを開いているなら閉じてください。そして、Defart PCのメイン画面が表示されている状態にしてください。

メモリースティックを挿入して、ドライブ文字を記録する(初回のみ)

Windowsを使っているなら、メモリースティックがどのドライブとして認識されるか調べる必要があります。
パソコンに接続したメモリースティックリーダーにメモリースティックを挿入します。パソコンがメモリースティックを認識したら、マイコンピューターを開いてメモリースティックの(DやEといった)ドライブ文字を覚えておいてください。
(この作業は初回だけ必要です。次回からは必要ありません)

Defartのシステム設定でメモリースティックドライブを設定する(初回のみ)

Defart PCのメイン画面の左下にある(システム設定)ボタンを押してください。システム設定画面が表示され、右側の一番上に(memory stick)という項目表示されるはずです。

このときボタンは押さないで下さい。どうやらWindows版のバグでエラーとなってしまいます。押してしまってエラー画面が表れたら、左上の×を押してエラー画面だけ閉じてください。

(memory stick)ボタンの右側の文字領域を全て消して、先ほど覚えたメモリースティックドライブ文字(DとかEとか)を半角文字で入力してください。そして、ドライブ文字の直後にはコロン(:)を追加して下さい。

例えば、あなたのパソコンにメモリースティックを挿入したとき、Fドライブとして認識されたなら、ここで入力するものは(F:)となります。

入力できたら、左上の×をクリックしてシステム設定画面を閉じてください。
(この作業は初回だけ必要です。次回からは必要ありません)

AIBOセッションを開く

エントリ一覧から適切なもの(使用する機種が正しければ何でも構いません)を選び、プログラム一覧で実行させたいプログラムを選んで、セッションを開始します。

MoNet設定を選ぶ(初回のみ)

AIBOセッションを開くと、視覚設定や首モーション、MoNet設定が空欄のままになっています。視覚設定や首モーションは後で設定するとして、AIBOの動作に必要なMoNet設定を選んでおきます。
(MoNet設定)のボタンを押すと、メニューがあらわれて1つだけ選択できるようになっています。これを選んでください。

なお、MoNet設定は一度設定をAIBOに書き込めば、以後MoNet設定自体を修正しない限り次回以降何もしなくて構いません。

メモリースティックに書き込む

いよいよプログラムを(初回ならMoNet設定も)メモリースティックに書き込みます。
まず、右下の(メモリースティック書き込み)ボタンを押してください。このとき初回なら、まず、メニューの下から2番目の「MoNet設定を書き込む」を選んでください。
次に、もう一度(メモリースティック書き込み)ボタンを押して、「プログラムを書き込む」を選んでください。これで完了です。

不幸にも、「メモリースティックを挿入してください」とメッセージが表示されたなら、AIBO用のメモリースティックを挿入していないか、あるいは、メモリースティックドライブの設定が不完全です。後者であれば一番最初に戻って設定をやりなおしてください。

「違うロボット用のメモリースティックです。…」と表示されたら、たぶんAIBOセッションで選んだエントリ一覧の項目が間違っています。いったんAIBOセッションを閉じて、正しいエントリ一覧の項目を選んでください。

メモリースティックを抜く

メモリースティックに限らず多くの外部記憶装置では、遅延書き込みを行っています。つまり、今、データを格納したとしても、メモリースティックには何も書き込まれていないかもしれないのです。
もっとも安全な方法は、タスクバーの右側の通知エリアにある「ハードウェアの安全な取り外し」を選んで、メモリースティックリーダーを取り外すことです。