Defartの内部

Defartの概要

Defartは、AIBOに組み込んで動作するDefart/AIBOと、そのためのプログラムやデータをパソコンで作成するためのDefart/PCからできています。

Defart/AIBO

Defart/AIBOは、OPEN/R SDKを使ってC/C++で記述されており、Defart/PCで作成した状態遷移図やモーションデータに従ってAIBOを動かします。また、無線LANにより遠隔操縦を行ったり、ファイルの送受信なども行うことができます。

Defart/PC

Defart/PCは、Squeak上でSmalltalk/80で記述されており、Defart/AIBOの有限状態機械に対する状態遷移グラフやモーションデータを作成することができます。無線LANによりAIBOのフロントエンドとして動作し、さまざまな設定や実験などを行うこともできます。

その他

DEFARTは、おもに「行動制御プログラムの作成環境」「モーションの作成環境」「テスト環境」を提供します。行動制御プログラムの作成環境では、画面上で状態遷移グラフを描くことによって、AIBOから得た視覚情報を実際の動作に結びつけるプログラムを作成することができます。モーションの作成環境では、実際にAIBOのモーションデータを作成できます。テスト環境では無線 LAN経由でAIBOの視覚情報を取得したり、設定情報を更新することができます。

 DEFARTは、2つのサブシステムに分かれています。Defart/AIBOサブシステムは、AIBOのメモリスティックに格納して、AIBO自身を自律的にコントロールします。Defart/PCサブシステムは、PC上でDefart/AIBOのためのプログラムを作成するためのユーザーインターフェイス環境です。

defartsystem.png

Defartの動作環境(v014)

DefartでAIBOを動かすプログラムを作るためには以下のハードウェア/ソフトウェアが必要です。

ハードウェア

Sony AIBO

Defartで動作確認できているAIBOは以下のものです。

  • ERS-210, ERS-210A
  • ERS-7, ERS-7M2

AIBOプログラミングメモリースティック

AIBO専用のメモリースティック(ピンク色)が必要です。
8MBあるいは16MBのものが利用できます。

パソコン

Squeak nihongo7が動作するパソコンが必要です。

  • Windows 2000, Windows XPで動作確認しています。
  • Debian/GNU Linux sargeで動作確認しています。
  • Mac OS X 10.4で動作確認しています。

メモリースティックリーダー/ライター

PCカード型、USB接続型のどちらでも構いません。
Sony純正のものをお勧めします。

ソフトウェア

Squeak nihongo7

Defart/PCをパソコン上で動作させるのに必要です。

OPEN/R SDK

ソースコードからDefart/AIBOを生成するのに必要です。
また、Defart/AIBOをAIBO上で動作させる基本部分を得るのにも必要です。

ゲームコントローラの起動方法

ゲームコントローラはSAXO-HP上で起動すること。
チームとチーム番号の対応が以下のようになっているとする。
襷チーム:チーム番号=1
JARu:チーム番号=2
AllAttack:チーム番号=3
***襷チームとJARuチームで対戦する場合***
ゲームコントローラ起動用画面を開き、以下を入力する。

java -jar GameController.jar 1 2

1と2はチーム番号で、最初の方が青、後の方が赤となる。
上の場合、襷チームが青となり、JARuチームが赤となる。
逆にするには、

java -jar GameController.jar 2 1

とすればよい。
以下同様
最終更新時間:2005年10月18日 11時37分13秒

ゲームコントローラ対応プログラム


概要

試合を管理するゲームコントローラに対応するプログラムを作成します。
(ゲームコントローラからの指令によって、対応するSTN番号のプログラムが自動的に起動されます)

内容

  • Initial(STN番号=0 初期状態)
  • Ready(STN番号=1 ポジショニング)
  • Set(STN番号=2 待機)
  • Play(STN番号=3,4,5 試合開始)
  • Finish(STN番号=6 試合終了)
  • Penalty(STN番号=7 ペナルティ)

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OPEN/RをLinux環境にインストールする方法

OPEN/R SDKをLinux環境にインストールする方法について説明します。

[準備]

OPEN/R SDEホームページから以下のファイルをダウンロードしてください。
1. build-devtools-3.3.2-r1.sh
2. gcc-3.3.2.tar.gz
3. binutils-2.14.tar.gz
4. newlib-1.10.0.tar.gz
5. OPEN_R_SDK-1.1.5-r3.tar.gz

[手順]

  • rootユーザーになります。
  • LC_ALLをCにします。
export LC_ALL=C
  • 作業用フォルダを作成します。
mkdir -p /usr/local/src/open-r-working
  • 1から4までのファイルを上のフォルダにコピーしておきます。
  • シェルを起動し、作業用のフォルダに移動します。
cd /usr/local/src/open-r-working
  • ビルドスクリプトを実行します。
./build-devtools-3.3.2-r1.sh
  • しばらくした後でビルドスクリプトの動作が終了します。
  • /usr/local フォルダに移ります。
cd /usr/local
  • 5のファイルを展開します。
tar xzf /usr/local/src/open-r-working/OPEN_R_SDK-1.1.5-r3.tar.gz
  • start-rp-openrを実行します。
/usr/local/OPEN_R_SDK/RP_OPEN_R/bin/setup-rp-openr

以上です。
この例では、/usr/local/src/open-r-working フォルダを使って作業を行います。
必要に応じて別のフォルダを選んでください。

その他

上記によってインストールを行っても、サンプルなどで正しくバイナリが作成されない場合があります。(debian sargeで確認)
そのようなときにはMakefileの先頭に以下のような記述を追加するとうまくいくかもしれません。

LANG=
LANGUAGE=