学生時代にアランケイの文章、たしか別冊サイエンスだったと思いますが、読んだ後、この人の教育観にとても興味をひかれました。もう、詳しくは覚えていないのですがコンピューターを使った教育に対する批判が述べられていたと思います。
もちろん、Smalltalk/80の学習の過程でコンピューターサイエンス、特にパーソナルコンピューティングの先駆者と知っていたのですが、教育に対する思いというのは、そのころ全然結びつきませんでした。
Squeakの関係でC5に参加して、本人を目の前にしたときは本当に感激しました。そこで述べられたことも情熱的でわかりやすく、教育する人間として示唆に富んだ素晴らしい内容でした。今でも自分にとって最高の時間のひとつです。
このところ、教育や学習の環境や方法論について「裏技?」的な情報が多いですが、薄っぺらく表面的で本当に子どもたちに受けさせたいと思うようなモノはほとんどありません。
ですが、Squeakを使った活動などアランケイさんたちの実地の取り組みには心惹かれるところがあります。
そのアランケイさんの幼少期の話題についてのインタビューがWEBにありました。新たな魅力を感じさせる内容です。ぜひご一読をお勧めします。
http://www.ewoman.co.jp/winwin/44ak/
投稿者: admin
Defart v017の使い方(その3)
視覚設定
AIBOがボールを追いかけて動くようなプログラムを作成する前にしなければならないことがあります。それはAIBOがボールを、ボールとして認識するように設定することです。
といってもDefartではボールをボールとして見ているのではなく、ボールにつけられた色を見てボールかどうか判断しています。たとえばAIBOの製品に付属するピンク色のボールを使う場合、あらかじめAIBOに「ピンク色のもの=ボール」と設定しておきます。そう設定した後は、ピンク色のものをボールと認識するというわけです。
このように「○○色=ボール」のような設定を行う作業を「視覚設定」と呼んでいます。
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COMET Simulator v0.01
COMETシミュレータおよびタイルプログラミングによるCASLのSqueak実装
情報技術者試験の午後の部で出題される仮想的な計算機COMET IIと、その上で動作する機械語のアセンブリ言語CASL IIをSqueak上に実装してみました。
Squeak上の実装なので、CASLについてはタイル式のプログラミングとしおもにマウスを使ってプログラムを作成できるようになっています。
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Defart v017の使い方(その2)
無線によるAIBOとの接続
既にPCからAIBOに対してpingが行える状況であると仮定します。また、紫色のカラーバーによる無線LAN設定も完了しているとします。
この状態でロボット設定の「番号」にAIBOのIPアドレスの第4オクテットの値が指定されていれば、画面左側のピンク色の領域が緑色に変わっているはずです。
これはAIBOから1秒おきに発せられている情報を受け取っていること(つまりAIBOと接続中であること)を表しています。
ピンク色のままの場合にはDefartのネットワーク設定が間違っている可能性があります。もう一度試してください。
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Defart v017の使い方(その1)
Defartは状態遷移図を描くことでAIBOのプログラムを記述するシステムです。状態遷移図を描く機能の他、動作の基本となる歩行モーションを作成したり、認識エンジンの設定などを行うことができます。
最低限必要なもの
- Sony AIBO ERS-7
- Squeakプログラミング環境
- Defart/PCシステム本体()
- Defart/AIBO()をビルドして組み込んだAIBOのメモリースティック
- モーションデータ()
Defart/PC v017b
これはロボカップ2007ジャパンオープンで使用したものです。通常の使用には向きませんのでご注意ください。
ここで公開しているソフトウェアは無保証です。本ソフトウェアの作者はソフトウェアを使用することによって生じたいかなる損害についても責任を持ちません。
もう一つのJOY
JOYをsqueakで実装してみました。
すでに山宮さんが実装&公開済みですが、私自身の学習と研究上の興味のために1から作りました。
実装時に参考にしたのはminiscmです。オリジナルのJOYで頻繁に使われる再帰的な関数呼び出しをやめるようにしました。
大島さん他のOMetaを使ってパーサを記述しました。ごく小規模なものですがOMetaのサンプルになるかもしれません。
せっかくなのでGUIも付けてみました。要するにスタックやプリミティブをMorphにしてみただけのものでごく簡単なものです。このGUIの目的としては、「Joyを手軽に試す」「マウスだけでプログラムを作る」ところにあるので、実用性はかなり低いと思います。
まだプリミティブの実装が少ないものの、ある程度のプログラムは書けると思いますので興味のある方はどうぞ。
実行環境
Squeak VM070309J(MaxOSX)
Squeak 3.9-7067.image
OMeta(1-1.0)
試していませんが他のプラットフォームでも動くだろうと思います。
インストール
file listからJoy-Baseをインストールしてください。
テキストだけで利用する場合には、SqueakMapからOMetaをインストールした後で、Joy-UIをインストールしてください。
GUI環境を利用する場合にはJoy-GUIをインストールしてください。なお、Joy-UIをインストールしなくてもJoy-GUIはインストールできます。
使い方(テキスト)
Workspaceで以下のような式を評価(式を表示)すれば結果を得ることができます。
j := Joy new. j run: 'DEFINE fact == [dup null] [pop 1] [dup pred fact *] ifte.'. j run: '10 fact'. ^ j stack
使い方(GUI環境)
Workspaceから、以下の式を評価してください。
ViJoyMorph morph openInHand
画面にJoyと書かれたモーフが現れます。
stackボタンを押すとJoyのスタックを表すモーフが別途現れます。
後はJoyモーフから適当なボタンを押して出てくるタイルをスタックにドロップすると、タイルがスタックに積まれていきます。
primitiveやmoduleのタイルをスタックに積むと何らかの結果がスタックに残ります。
プログラム(関数)を作りたいときは、moduleのnewを押してその中にタイルを加えていきます。
タイルに適当な名前を付ければmoduleのselectボタンで関数が選べるので、それを元の関数に入れて再帰的な定義を作ることもできます。
後は適当に遊んでください。
ダウンロード
今年の研究発表会について
ブログでも書いたとおり、今年伊藤研究室では学園祭における研究発表会を行いません。
来年度に新しい形で実施できればと考えております。毎年お越しくださってくれた皆様には申し訳ございませんが、どうかご了承ください。
今後ともよろしくお願いいたします。
OG訪問
今日は研究室にOGの酒井さんが来てくれました。
実は大学の近所に自宅のある酒井さんなのですが、いつも忙しくてそれでも定期的に研究室を訪れてきてくれています。
酒井さんは伊藤研究室におけるAIBO関連の研究で、先駆的な研究をしていました。伊藤研究室の歩行モーションの組織的な開発の出発点をつくりました。彼女と彼女に続く小林さん、田中君、ラシタ君は、複雑なAIBOのモーション作成を一手に担って作り上げる職人のような人たちでした。
よく冗談で彼(女)らのことを「ジェダイの騎士」と呼んでいます。スターウォーズのジェダイとパダワンのように、先輩から後輩へと独自の教育方法でモーション作りを伝授していたのは、伊藤研究室の良い伝統のひとつだったと思います。酒井さんは創始者として後輩からよく尊敬されていました。
その酒井さんも学校事務の仕事をしながら、今年の夏に公務員の試験を受ける予定だそうです。ぜひとも頑張って目標を達成してほしいと思います。
また暇な折にでも研究室にお越しください。
前期最後のゼミ
前期最後のゼミ授業を行いました。
前期のゼミでは前半にAIBOを使った簡単なプログラミングを行い、後半にプログラミング言語の課題を行いました。
どちらも容易ではない内容でしたが、みなさんよくがんばっていたといえるでしょう。その調子で学習を継続していってほしいと思います。
今日のゼミには二人のお客さんが来てくれました。2005年卒業の小林さんと2004年卒業の金子さんです。お二人には、貴重な休みを使って研究室を訪問していただいたとともに、ゼミでは職場での仕事の様子などゼミ生からの質問に快く応じてくださって感謝しております。ゼミ生には私の話よりもずっと心に響いた内容だったと思います。ありがとうございました。
さて、これから定期試験を経て夏期休暇となりますが、今まで行ってきた学習のリズムを中断すると後期は最初からやり直しとなってしまいます。その危惧から夏休みにやっておくべき課題を出しましたが、これを材料としながら地道に学習を進めてください。いつも言うことですが、「課題をやれば十分」というスタンスではなく、「あくまで課題は手がかり」と思って取り組んでください。理解第一です。
今後の告知はブログで行いますので、できるだけ定期的にチェックしてください。